どんな職業か
船舶の機関部で機関員を指揮しながら、エンジン(主機関)、発電機、ボイラー、その他の各種機器の管理を行う。 航海中は、機関制御室で各種計測装置から状況や記録を監視し、航海に支障がないよう努める。定期的に機関室を見回って、主機関や発電機などの回転音、冷却水や潤滑油の温度・圧力をチェックして、音や数値に異常がないことを確認する。また、計画されている保守整備作業なども行う。 異状発生時には、直ちに応急処置をとるとともに、その原因を調べ、機関長に状況を報告する。荒天や非常事態の場合には、所定の位置について船長や機関長の指示に基づいて行動する。自らの判断で緊急に取った措置については、すぐに機関長に報告する。 停泊中は、主機関、発電機、ボイラーなどの整備を行い、燃料や備品・消耗品を補給して次の航海に備える。航海中の機器運転管理の他に、整備計画を立案し、その時々の状況に応じて必要な点検整備、故障箇所の修理を行う。 最も安全に気を使う出入港時は、所定の配置につき、主機関や関連する補助機械類が船長の指示に対し確実に対応するように機関室全域を点検する。 大型の船舶では機関長を含めて複数の機関士が同乗しており、機関長は機関部の最高責任者として責任を負い、他の機関士を指揮する。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 計測装置、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 保守点検 | 4.3 | 3 / 498 | 上位1% |
| 修理 | 4.2 | 11 / 498 | 上位2% |
| 計器監視 | 4.0 | 4 / 498 | 上位1% |
| 故障等の原因特定 | 3.9 | 26 / 498 | 上位5% |
| 傾聴力 | 3.8 | 337 / 498 | 上位68% |
| 操作と制御 | 3.7 | 21 / 498 | 上位4% |
| 読解力 | 3.6 | 281 / 498 | 上位56% |
| 説明力 | 3.4 | 343 / 498 | 上位69% |
| 指導 | 3.4 | 281 / 498 | 上位56% |
| 道具、機器、設備の選択 | 3.3 | 144 / 498 | 上位29% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 機械 | 3.2 | 4 / 508 | 上位1% |
| 輸送 | 2.2 | 19 / 508 | 上位4% |
| 工学 | 1.9 | 55 / 508 | 上位11% |
| 物理学 | 1.9 | 42 / 508 | 上位8% |
| コンピュータと電子工学 | 1.9 | 63 / 508 | 上位12% |
| 化学 | 1.8 | 50 / 508 | 上位10% |
| 数学 | 1.7 | 93 / 508 | 上位18% |
| 設計 | 1.6 | 87 / 508 | 上位17% |
| 通信技術 | 1.6 | 68 / 508 | 上位13% |
| 事務処理 | 1.4 | 359 / 508 | 上位71% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.7 | 62 / 426 | 上位15% |
| 聴覚の感度 | 3.1 | 24 / 426 | 上位6% |
| 聴覚的注意(特定の音を聞き分ける力) | 2.9 | 28 / 426 | 上位7% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 2.9 | 91 / 426 | 上位21% |
| 指先の器用さ | 2.8 | 91 / 426 | 上位21% |
| 筋力 | 2.8 | 90 / 426 | 上位21% |
| 手腕の器用さ | 2.8 | 108 / 426 | 上位25% |
| 持久力(スタミナ) | 2.8 | 124 / 426 | 上位29% |
| 平衡感覚 | 2.8 | 60 / 426 | 上位14% |
| 演繹的推論 | 2.7 | 250 / 426 | 上位59% |
仕事内容
- 船舶の機関部で機関部員を指揮しながら、エンジン、発電機、ボイラー、その他の各種機器の運転や整備をする。
- 航海中は、航海に支障がないよう機関制御室で各種計測装置を監視する。
- 所定の時間に機関室を巡回し、機関部分の運転の点検をする。
- 機関の運転に関する計測記録を分析し、機関故障の防止に努める。
- 異常が認められた場合には、応急処置を取り、原因を調査して機関長に報告する。
- 停泊中に主機関、発電機、ボイラーを整備する。
- 燃料・備品・消耗品を補給して次の航海に備える。
- 出入港時や悪天候の時には、所定の配置に就き、機関長の指示にしたがって機関の正常運転を維持する。
- 定期修理の計画を作成する。
なるには
船舶機関士になるには、海技従事者国家試験に合格して、海技士(機関)免許を取得する必要がある。 一般的には、旧商船大学(現在は東京海洋大学と神戸大学)、商船高等専門学校、海上技術の学校等に進学し、各種の機関・機器に関する理論と実技両面について所定の修業年限を積んだ後、在学中又は卒業後に乗船実習を航海訓練所や学校所属の練習船で行う。大型の船舶に乗るには上級の免許が求められ、それに応じた乗船経験も必要となる。 船上では船長を中心とした秩序が大切であり、規律を守ることが求められる。また、機関員を指導し、チームワークを作り上げるリーダーシップも必要となる。騒音や気温の変化などの厳しい作業環境や不規則な勤務形態の他、時差がある場合もあり、このような環境での仕事に耐えられる体力と忍耐力が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 専門学校卒 | 0.4 |
| 高卒 | 0.4 |
| 大卒 | 0.2 |
| 高専卒 | 0.2 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.1 |
関連する資格
- 海技士(機関)免許
給料
賃金構造基本統計調査では「船内・沿岸荷役従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 416.7千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,056.2千円 |
| 平均年齢 | 42.4歳 |
| 平均勤続年数 | 16.1年 |
| 労働者数 | 4,971人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤301.3千円
- ≤333.3千円
- ≤360.2千円
- ≤424.8千円
- ≤605.6千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「輸送・機械運転従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率3%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人42.7千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比3%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比2.2%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
輸送・機械運転従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 輸送・機械運転55%
- 販売9.6%
- 専門的・技術的職業7.1%
- サービス職業6.5%
- 生産工程6.4%
- 運搬・清掃・包装等5.7%
- その他9.6%
この分類に入った人のうち、45%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
船は港を出ると次の港まで休みなく稼働し、港に着いた後も荷役を行いながら必要な補給を行うため休みが取りにくい。このため、下船するとまとまった休暇がとれる制度が一般的に採用されている。例えば、外国航路などでは8~9月乗船し3~4ヶ月休みをとるといった形態が一般的である。 航海中は、所定の時間で交替勤務を行うのが一般的だが、出入港時や緊急時には船長の命令によって労働時間外でも配置につき、作業を行う。以前と比べて、作業環境は大幅に改善されており、機関制御室で計器類を監視し、遠隔操作を行うことが多くなっている。就業者はほとんど男性である。また、外航船では外国人船員と一緒に船に乗り、働くことが多い。 給料は会社の規定によって定められており、基本給の他に、時間外手当や特殊作業手当などが支給される。また、職務外疾病(健康保険相当部分)及び船員労働の特性に応じた独自・上乗せ給付は船員保険が適用される(平成22年から、船員保険の一部は一般の労災保険制度及び雇用保険制度に統合されている。)。 船舶運航の自動化などに伴い、一つの船舶の運航に要する船員数が少なくなっているが、機関士には高度な技術と知識が求められるようになっている。また、船員としての経験を活かして、陸上勤務を行うこともある。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- エレベーター据付近さ 0.795
- 鉄道線路管理近さ 0.784
- 産業用ロボットの保守・メンテナンス近さ 0.762
- 航海士近さ 0.748
- 航空整備士近さ 0.747
- クレーン運転士近さ 0.730
- 物流設備管理・保全近さ 0.701
- 航空自衛官近さ 0.656
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)