どんな職業か
大量の荷物や特大品、重量品を輸送するトレーラーを運転する。トレーラーは事業用トラックのひとつである牽引貨物自動車のことで、トラクター(運転席部分)とトレーラー(荷台)が分離できる構造となっており、建築資材、大型機械、コンテナ、自動車、石油などの液体製品等、大きな物や重い物を運搬するのに適している。 トレーラーの種類は多く、一般的なのはセミトレーラーである。運転席だけのトラクターとトレーラーを組み合わせたもので、牽引部分と合わせた全長が16.5メートルのものが多い。トレーラーは車輪が後部にだけ付いているので、単独では走行できない。 フルトレーラーは、単独でも荷物を運べるトラックにトレーラーを組み合わせたもので、荷箱が2つあるため、一度に大量の貨物を輸送できる。連結時の全長は一定の条件を満たせば全長25メートルまで認められる。 トレーラーとしては、この二種類が代表的なものであるが、用途に合わせて工夫されたトレーラーが数多くある。主なものとしては、車輌運搬用のキャリアカー、液体を運ぶタンクトレーラー、粉粒体を運ぶバルクトレーラー、コンテナを輸送するコンテナトレーラー、荷台にスタンション(荷物落下防止用の棒)が立っている木材や鋼材運搬用のスタンショントレーラー、重機用トレーラー、鉄骨やレールなど長尺ものを運搬するポールトレーラーなどがある。 運送会社で働くドライバーは、乗務前にトラック、トレーラーなどの車両点検を行う。運行管理者による点呼場面において、血圧などの健康面の確認や、検知器によるアルコールチェックを受ける。また、運行に関する連絡事項や記録は、ドライバー各自が携行するタブレットやスマートフォンなどのデジタル機器が使用されることが多い。 そして、実際に車両に乗り込み、安全に運転する。運行記録はデジタルタコグラフ(デジタコ)、ドライブレコーダー、GPSによることが一般的である。デジタコは走行速度・時間・距離等がデジタルで記録され、会社側として運行状況を把握できることから、適正な労務管理に活用されている。ドライバーにとっても、安全運転の意識向上、省エネ運転、日報作成の事務負担の軽減といった利点がある。 指定の時間に依頼主の出荷場所へ行き、伝票内容と荷物の内容物や数量が合っているか確認する。目的地まで運び、指定された場所で荷下ろしをして、着荷主から受領の確認を受ける。荷下ろしを終えると、帰社し、運行の状況や健康状態を報告する。 業界全体として働き方改革の取組みが進んでいる。労働基準法や改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)の改正により、令和6年4月から時間外労働の上限規制が適用されるとともに、拘束時間等の基準が改められたことにより、長時間労働の改善が図られている。また、荷待ち時間や荷役作業時間の削減に取り組む荷主が増えるなど、荷主側の意識や行動にも変化がみられ、ドライバーの労働時間や日々の業務負担の軽減につながっている。 また、業界横断的に、中継輸送、フェリーや高速道路の積極利用により、長距離輸送時のドライバーの負担軽減の取組みが進んでいる。業界全体として、運転しやすいAT車の導入など、女性や若年者の就業を意識した取組みもなされている。 ◇よく使う道具、機材、情報技術等 トラクター、荷物の種類に応じたトレーラー、デジタルタコグラフ(デジタコ)、ドライブレコーダー、業務連絡用タブレット、アルコール検知器、血圧計、点検ハンマー
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 3.1 | 442 / 498 | 上位89% |
| 説明力 | 2.7 | 443 / 498 | 上位89% |
| 読解力 | 2.6 | 438 / 498 | 上位88% |
| 保守点検 | 2.6 | 114 / 498 | 上位23% |
| 修理 | 2.4 | 170 / 498 | 上位34% |
| 文章力 | 2.4 | 432 / 498 | 上位87% |
| 指導 | 2.4 | 461 / 498 | 上位93% |
| 他者の反応の理解 | 2.3 | 436 / 498 | 上位88% |
| 故障等の原因特定 | 2.2 | 192 / 498 | 上位39% |
| 操作と制御 | 2.2 | 214 / 498 | 上位43% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 輸送 | 3.0 | 11 / 508 | 上位2% |
| 地理学 | 1.1 | 85 / 508 | 上位17% |
| 教育訓練 | 1.1 | 273 / 508 | 上位54% |
| 社会学 | 1.0 | 290 / 508 | 上位57% |
| 心理学 | 0.9 | 306 / 508 | 上位60% |
| 日本語の語彙・文法 | 0.8 | 445 / 508 | 上位88% |
| 公衆安全・危機管理 | 0.8 | 400 / 508 | 上位79% |
| 機械 | 0.7 | 258 / 508 | 上位51% |
| 数学 | 0.7 | 372 / 508 | 上位73% |
| 法律学、政治学 | 0.7 | 354 / 508 | 上位70% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 奥行きの知覚(遠近感覚、深視力) | 3.5 | 4 / 426 | 上位1% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.3 | 30 / 426 | 上位7% |
| 聴覚の感度 | 3.2 | 11 / 426 | 上位3% |
| 遠隔視力 | 3.2 | 12 / 426 | 上位3% |
| トラブルの察知 | 3.2 | 297 / 426 | 上位70% |
| 色の違いを見分ける力 | 3 | 55 / 426 | 上位13% |
| 近接視力 | 2.8 | 60 / 426 | 上位14% |
| 聴覚的注意(特定の音を聞き分ける力) | 2.8 | 42 / 426 | 上位10% |
| 持久力(スタミナ) | 2.8 | 121 / 426 | 上位28% |
| 筋力 | 2.8 | 103 / 426 | 上位24% |
仕事内容
- 大量の荷物を長距離輸送するトレーラー(トレーラ)を運転して貨物を輸送する。
- 体調検査とアルコールチェックを受ける。
- 積荷と配送先、配送時間などを確認する。
- 使用車両の始業点検を行う。
- 積荷の重量や付帯免許、配送先へのルートや交通情報を確認する。
- 貨物の積み込みをする。
- 安全に気をつけて運転して配送する。
- 休憩の時間やタイミングを決める。
- 配送先に到着したら、担当者に連絡する。
- 荷卸しをする。
- 帰社し、アルコールチェックを受ける。
- 業務報告書を提出する。
- 車両の清掃をする。
- 車両の異常を報告する。
なるには
入職にあたって、特に学歴は問われないが、第一種運転免許を取得する必要がある。普通免許のほか、車両重量・積載量に応じて、準中型、中型あるいは大型自動車運転免許が必要になる。若年運転者の就業を促すため、一定時間の特例教習を修了することで19歳から大型免許を取得できるようになっている。 トレーラーを運転するにはけん引免許、扱う荷物によっては、危険物取扱者、高圧ガス移動監視者等の資格を取得する必要がある。 経験者による即戦力として、中途採用で入職するケースが多い。ハローワークや求人広告、同業ドライバー同士の紹介などを通じて入職することが一般的である。近年は、労働条件や待遇面の改善により女性や若年者の入職が増えてきている。入職後は約1〜3カ月の一定期間は試用期間であり、実地に訓練を受ける。初任運転者に対しては国土交通省告示(指導監督指針)により、実際にトラックに同乗しての指導と、積荷の搭載方法や日常点検の方法、トレーラーの構造の特性などの座学の研修が義務付けられている。職場の各管理者、作業指揮者などから実務知識、作業技術などを学んだ後、運転業務に従事する。 最近の動きとして、人材確保の観点から、免許取得を積極的に支援する企業が増えている。採用時には免許を持っていなくても、入社後に準中型、中型、大型免許を取得することで活躍できる。運転業務の経験を積んだ後、運行管理者(国家資格)の資格を取得してドライバーを管理する配車担当となる場合や、その後、管理者から所長等管理職となることもある。 長距離の運転や深夜時間帯の運転の場合もあり、健康管理が大切となる。現在は、ドライバーの過重な労働時間や拘束時間の改善、労働負担の軽減が進んでいる。また、安全意識の高さや法令遵守の姿勢がドライバーの資質として求められるようになっている。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.7 |
| 高卒未満 | 0.2 |
| わからない | 0.1 |
| 専門学校卒 | 0.0 |
| 短大卒 | 0.0 |
| 大卒 | 0.0 |
関連する資格
- 毒物劇物取扱責任者
- 大型自動車免許
- 牽引免許
- 危険物取扱者(甲種)
- 危険物取扱者(乙種)
- 危険物取扱者(丙種)
- 準中型自動車免許
- 中型自動車免許
- 高圧ガス移動監視者
- 運行管理者(貨物)
給料
賃金構造基本統計調査では「営業用大型貨物自動車運転者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には4の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 371.2千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 398.4千円 |
| 平均年齢 | 50.6歳 |
| 平均勤続年数 | 13年 |
| 労働者数 | 43,384人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤317.5千円
- ≤347.7千円
- ≤362.4千円
- ≤404.9千円
- ≤439.6千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「輸送・機械運転従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率3%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人42.7千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比3%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比2.2%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
輸送・機械運転従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 輸送・機械運転55%
- 販売9.6%
- 専門的・技術的職業7.1%
- サービス職業6.5%
- 生産工程6.4%
- 運搬・清掃・包装等5.7%
- その他9.6%
この分類に入った人のうち、45%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
給料はほとんどの会社が月給制となっている。基本給以外の運行手当等の歩合給、時間外手当などの変動給の占める割合が比較的大きいが、業界全体の動きとして、長時間労働に頼らなくてもよい待遇改善・環境整備に向けての取組みが続けられている。週休2日制を導入している企業が多いが、輸送の形態によっては深夜運行の場合もある。 トラック運送事業を含む自動車輸送業界で働く人の年齢層は50歳代が31.3%、60歳代以上が19.7%であり、高齢化が進んでいる。また、女性ドライバーの割合は徐々に増えており4.7%となっている(*)。 女性が働きやすいよう、子育てと両立しやすい運行計画の設定、女性用休憩室やトイレの設置、また、土日の週休2日制を好む若年者に合わせて運行計画を設定したり、前述のように免許取得の支援等、社内の環境整備に積極的な企業が増えている。その他、業界団体としても、高校への出前授業、インターンシップ等により若年者にトレーラー輸送の役割や重要性の理解促進に積極的に取り組んでいる。 物流業界が抱えるドライバー不足という深刻な課題に対して、官民を挙げて、労働時間等の労働条件の改善・向上や、物流の適正化・効率化、トラック輸送の生産性向上に取り組んでいる。物流の現場では、例えば、荷待ち、荷役作業時間が減るような取引環境の適正化(運送契約の適正化、作業員の体制整備など)が図られ、ドライバーの過重な労働時間や拘束時間の改善、労働負担の軽減が進んでいる。 トレーラーを含む陸上輸送は国内貨物輸送の主力であり、物流面で社会を支える役割の重要性は今後も変わることがないと考えられる。 (*)公益社団法人全日本トラック協会【日本のトラック輸送産業 現状と課題2025】 1 トラック輸送産業の概況 「少子・高齢化の進展と若年労働力不足」から
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- トラックドライバー近さ 0.858
- 港湾荷役作業員近さ 0.846
- タンクローリー乗務員近さ 0.838
- 観光バス運転士近さ 0.761
- ダンプカー運転手近さ 0.736
- 路線バス運転士近さ 0.732
- 電車運転士近さ 0.721
- 建設機械オペレーター近さ 0.718
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)